バンコク会議出張記:ISOとトロピカルフルーツと信頼のGrab

バンコクへ行きました。ISO/TC61の国際会議です。プラスチックの国際規格を議論するこの会議ですが、毎年世界各地で開催されます。今回の会場はタイ・バンコク。日本の寒さから逃げるには最高の場所になりました。ちなみに、タイは学生旅行の定番でもあるわけなので。。物価が安く、料理が美味しく、見どころも多いです。これから国際会議への参加を考えている皆さんだけでなく、「いつかタイに行ってみたい」という皆さんにも参考になるよう、現地の様子を写真とともにお伝えします。
旅の始まり:エアアジアでドンムアン空港へ
日本からバンコクへは、マレーシアでもお世話になったエアアジアXを利用しました。しかし成田発!約6時間のフライトです。もうアプリで全自動で行くようになりましたね~。

LCCというのは実に合理的なビジネスモデルで、座席指定も機内食も全部オプション課金です。足元の広さを求めるなら前方座席に課金すればいいと思います。このあたりの「必要なものだけ買ってください」というスタンスがアジアLCCらしくて好感が持てますよね!
皆さんへのアドバイス:エアアジアは預け荷物も別料金なので、7kg以内の機内持ち込みで収めると最安になります。セール時期を狙えば往復3万円台も夢ではないです。ただし成田発着なので、都内からのアクセス費用も計算に入れておきましょう。ちなみにバンコクには空港が2つあります。スワンナプーム空港(国際線メイン)とドンムアン空港(LCCメイン)です。エアアジアはドンムアン発着なので間違えないように。私は最初、スワンナプーム空港だと思ってチケットを見たら、これどこの国?と焦りました、、、
到着後の入国手続き:デジタルアライバルカードの登場
ドンムアン空港に到着。ここで必須なのが”デジタルアライバルカード(Thailand Digital Arrival Card)”です。毎回でてきますね、、
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タイ・デジタルアライバルカード
https://tdac.immigration.go.th/
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今はオンラインで事前登録できます。QRコードを見せるだけで入国審査の列をスムーズに行けます。これは本当に便利。ただし、機内Wi-Fiは有料なので、日本にいるうちに済ませておくのが吉です。空港に着いてから慌ててスマホをいじっていると、後ろの観光客の視線が痛いでしょうね。まあ、事前準備が大事、これはプレゼンと同じです。そして、空港でまずやるべきはSIMカードの調達。日本からもっていくも良し、現地で調達もいいです。現地調達がおすすめですけどね、、、
タイのビザ情報:日本国籍であれば、60日以内の観光目的ならビザ不要。パスポートの残存有効期間が6ヶ月以上あればOKです。おそらく十分な日数でしょう。
市内アクセス:信頼と安心のGrab
空港を出たら、迷わずGrabを呼びます。東南アジア出張の必須アプリです。

Grabは東南アジア版のUberと思えばいいです。配車、フードデリバリー、決済まで一つのアプリで完結です。タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナムなど東南アジア各国で使えるので、一度アプリを入れておけば域内の移動が格段に楽です。ドンムアン空港からアンバサダーホテルまで約30〜40分、料金は高速代込みで400〜500バーツ前後(約2,000〜2,500円)。時間帯と渋滞状況で変動するが、この価格帯で空港送迎が完結するのはありがたいです。
学生の皆さんへ:Grabを使う最大のメリットはぼったくり防止です。料金は事前に確定するので、到着後に法外な金額を請求される心配がない。タイ語が話せなくても目的地はアプリで指定できる。海外旅行の不安要素をひとつ減らせるのは大きいです。でも、節約旅行ならエアポートバスという選択肢もある。時間はかかるが、圧倒的に安いです。
滞在先:アンバサダーホテル
今回の滞在先はアンバサダーホテル(Ambassador Hotel Bangkok)。会議会場であるコンベンションセンターに直結しているので、参加者の多くがここに宿泊します。近くにはおしゃれな西洋式のバーがたくさんありました。

建物は昭和レトロというか、1980年代のアジアンリゾートの感覚で、ロビーの装飾、廊下のカーペット、部屋の調度品……すべてが「かつての高級ホテル」の風格を漂わせています。決して古臭いわけではないですが、最新のデザイナーズホテルとは明らかに違う時代の空気があります。
そして不思議なことに、会議中のコーヒーメーカーだけは西洋式で、美味しかったです。

バンコクの交通事情:カオスと秩序の共存
バンコクの交通事情は相変わらず凄まじい。

車線という概念が曖昧で、バイクは隙間を縫うように走る。信号が青になった瞬間、全方向から車両が動き出す様子は、よくこれで事故が起きないなと感心します。しかし電車に乗れば話は別です。

窓まで印刷されているのには、強烈なアピール力を感じます、、、


券売機でRabbitカードを買えば、あとはSuicaと同じ感覚です。私は窓口で購入してました。社内は冷房も効いていています。主要な観光地やショッピングモールは電車でカバーできるので、会議の合間に市内を回るには最適ですね。バンコク内でタクシーを呼ぶと渋滞のせいかなかなか着きません。
バンコクの主な交通手段まとめ:
| 交通手段 | 特徴 | 料金目安 |
|---|---|---|
| BTS(スカイトレイン) | 高架鉄道、渋滞知らず、冷房完備 | 17〜62バーツ |
| MRT(地下鉄) | 地下鉄、BTSと接続 | 17〜42バーツ |
| Grab | 配車アプリ、ドアtoドア | 距離による |
| トゥクトゥク | 三輪タクシー、観光気分 | 要交渉(50〜200バーツ) |
| チャオプラヤー・エクスプレス | 川を走るボート、渋滞回避 | 15〜32バーツ |
トゥクトゥクは観光気分を味わうにはいいと思いますが、料金は交渉制の部分もあり写真を撮る程度に留めて、移動は電車かGrabが無難でしょう。
BOOSTとストロー問題:ISO会議への伏線
会議の合間、ショッピングモールでマレーシアでお世話になったBOOSTを見つけました。

スムージーチェーンです。フレッシュフルーツを使ったスムージーが売りで、暑い国では本当にありがたい存在です。信頼と安心のプロテインサプリームを思い出しました。

ここで気づいたのが、ストローが紙製とバイオプラスチック製が選択できました。紙ストローは確かに環境には優しいが、長時間使っているとふやけてくる。バイオプラスチックストローはその点で優れているが、本当に生分解するのか?という疑問もあります。
生分解性プラスチックの課題:
- 「生分解性」の定義は曖昧(どんな環境で?どのくらいの期間で?)
- 工業的コンポスト施設が必要な場合が多い
- 海洋環境での分解性は別問題
- 消費者の誤解(「自然に消える」わけではない)
こうした素材の性能をどう評価するか、国際的に統一した試験方法をどう決めるか、それがISO規格の役割になっており、重要な取り決めにもなります。
タイのビール

夜はシンハービールを飲む機会が多かったです。タイのビールはシンハー以外にも、チャーン、リオなどがある。どれもラガー系で、暑い気候に合うすっきりした味わいです。タイのグリーンカレーやトムヤムクンの辛さを、冷えたビールで流し込みラガービールの存在意義を再確認することでしょう。
注意点:タイではコンビニでの酒類販売が時間制限されています。17:00〜以降に購入可能になってました。昼間に買おうとしてレジで断られる経験は、タイ旅行者の通過儀礼なんでしょうね。
会議後の楽しみ:マーケットとドライマンゴー
会議が終われば、お土産探索です。

タイはフルーツ天国です。ドリアンもあり、マンゴー、パパイヤ、ドラゴンフルーツ、マンゴスチン……生のフルーツも美味いが、お土産にはドライフルーツが最適です。今回はドライマンゴーを大量購入しました。1袋50バーツ(約300円)。日本で買うと倍以上するので、買い込みました。

電子システム工学科の皆さんへ:
海外に行く機会は、学生のうちに作っておいた方がいいと思います。社会人になると時間の自由が利かなくなります。タイは治安も比較的良く、英語が通じる場面も多い。「海外旅行デビュー」の国としても最適でしょう。そして、もし研究に興味があるなら、修士課程に進学し、国際会議への参加を目標にしてみてほしいです。発表という形で世界と繋がる経験は、論文を読むだけでは得られないものがあると思います。
**「百聞は一見に如かず」**という言葉通り、実際に現地に行き、見て、感じることの大切さを実感しました。事前にHPで調べても、一度の経験はそれを超えるものがあります。なぜなら、やはり余裕が生まれるからでしょうね。。。
それでは、また次の会議で。

