【参加報告】日本包装学会 第34回年次大会に参加して ― 包装技術の最前線を見る

2025年8月28日・29日、東京海洋大学 越中島キャンパスで開催された日本包装学会 第34回年次大会に参加しました。包装分野の最先端の学びと交流が詰まった本大会は、現地で直接、研究者・学生・産業界が交錯する熱気に満ちておりました。今回は、電子システム工学科の教員として、包装技術とエレクトロニクスの融合領域に大きな可能性を感じ、研究室配属を控えた学生さんにもその魅力を伝えたいと思います!

会場の雰囲気と大学の特色

大会会場となった東京海洋大学 越中島キャンパスは、海の科学と技術の中心として多彩な研究・教育が展開されている拠点です。美しいキャンパスや、大学オリジナルグッズ・歴史的な明治丸の展示は、参加者の興味を一層引き立てていました。技術の歴史と革新を同時に感じられる環境は、良い刺激となりましたね。

大会テーマと印象的なセッション

今年の大会では、「包装・材料」「包装・容器」「輸送包装」「加工・装置」「環境・安全」「評価手法」など多彩なセッションに加え、特別講演が設けられ、業界と学術界の最新技術・課題が生き生きと議論されました。特に、国際的な環境課題への対応、SDGsと連動した包装技術の進化、グローバル規制との整合化などが大きな焦点となっており、東南アジアに滞在していたものとしては、考えることが多かったです。

研究発表・交流から得た学び

これはイメージ図です!

口頭やポスターによる発表では、若手研究者や学生の実践的な課題解決の取り組みが際立っておりました。新規ハイブリッド材料や生分解性材料の研究が発表され、材料科学の観点から包装技術の革新が進んでいることを確認できました。また、食品包装向けのデジタル印刷技術や、高齢者向け医薬品包装の改善など、実用化を見据えた研究も多数発表されておりました。

電子システム工学科の視点から特に興味深かったのは、振動分析技術の包装への応用である。輸送中の振動データを収集・分析することで、包装設計の最適化が可能になっており、我々の研究室で開発しているセンシング技術にも可能性を感じました。来年は、発表しようと思います!

参加者同士のディスカッションやネットワークの広がりも、学会の「出会いと学びの場」としての魅力を改めて実感させた。特に社会人の方が多い学会であることもこの学会の特徴だと思います。

包装技術の進化と未来

AI・IoTなどデジタル技術の進展により、検査工程の自動化、需要予測、在庫管理の最適化、サステナブル素材の設計支援など、包装産業全体が大きく変革期を迎えている。会場では、ベテラン研究者の現場力と若手世代の創造力が融合し、新たな価値創造への期待が高まっておりました。

アスパラガスの品質保持技術のような農産物包装の研究からは、センサー技術の新たな応用可能性を見出すこともできました。呼吸特性の解明や品質劣化メカニズムの理解は、我々が開発するセンシングデバイスの設計指針にも活かせる可能性を感じます。循環型経済やカーボンニュートラルへの貢献も、ますます重要なテーマとなっているんですね。

若手育成・分野連携への強い期待

今後の包装業界と学術のさらなる発展には、分野の垣根を越えた連携と、次世代人材の育成が不可欠だと改めて感じます。国際交流や世代交代による多様化が、これまでにないブレークスルーを生み出す原動力となっております。研究室でも、学生が自由に発想を広げ、実際の社会課題に取り組む雰囲気づくりを大切にしたいと思います。包装技術という一見電子工学から遠い分野にも、我々の技術が大きく貢献できることを理解してもらいたいと思います。特に、環境配慮型材料の開発や、効率的な測定・分析技術の実装など、電子工学の知識が活かせるテーマが山積しているんですよね~。

おわりに

第34回年次大会への参加を通じ、包装分野の最前線がどこにあるのかを肌で感じることができました。今後も幅広い分野と連携し、持続可能な社会とイノベーションの実現に向けて挑戦し続けていきたいですね。研究室配属を検討している学生の方には、包装材料とセンシング技術の融合は、まさに電子システム工学の知識と技術が活きる分野であると理解してもらいたいです。食品ロス削減、医薬品の品質管理、環境モニタリングなど、社会課題解決に直結する研究テーマが山積しております。

ぜひ、この分野で一緒に新しい価値を創造していけたらと思います。

 

 

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