日本価値創造ERM学会での研究報告
明日の9/9(金)から待ちに待った後期が開始します。夏休みも終わり、電子システム工学科のメンバーもあの試験勉強、レポート作成の日々をもう一度思い返してほしいと切実に願います。
さて、夏休み最終日の本日ですが、学会に参加しておりました。
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日本価値創造ERM学会第16回研究発表大会
コロナ禍が上場企業の付加価値分配に与えた影響
~企業の配当データおよび配当政策からの実証分析~
https://www.javcerm.org/2022/08/09/information-on-the-16th-research-and-presentation-conference-of-the-japanese-society-for-value-creation-erm/
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内容自体は、まったく電子工学とは関係ありませんが、会計学の観点から企業が生み出す付加価値の分配について実証分析を行った研究報告です。そもそも現在の”株”式会社の生み出す付加価値分配を考える際に、1990年を境に分配傾向が変化しており、中でも”株主還元”について色々と解析を行いました。
岸田首相は、日本経済が新型コロナウイルスの影響を受ける中、2021年9月の自民党総裁選挙で、これまでの新自由主義的な政策を転換して規制緩和・構造改革路線から脱却し、諸制度を根本から見直し格差を是正する“令和版所得倍増”を掲げております。
これは、税金のような富の再分配とは異なり、第一次段階での付加価値の分配を適正化させる“新しい日本型資本主義”を実現させることが狙いです。
そもそも、公開されている会社の付加価値を合算していくと、以下のように付加価値全体としては1990年から横ばいです。その中で、年々増加していくものもあったり、徐々に削減されていくものもあったりしております。特に、従業員給与は徐々に減っていく一方で株主還元は増加していきます。正規・非正規(従業員給与に含まれない)問題も含めて、このような経済格差の是正は世界的に取り組むべき喫緊の課題となっています。
それらを全上場企業の配当データについてコロナ禍前後でどう変化しているのかを機械学習モデルで支配因子を明らかにする研究を行い、今後これを改善するために○○を行った方がいいと会計制度に踏み込んだ研究報告を行いました。
就職活動をする際に、単純に”業績”が”良い”企業が、一体誰にとって”良い”のか?を考えることも電子システム工学科のメンバーにも必要ではないかと思っております。もちろん、卒業生も考えることは忘れないでください。