無機ELデバイス研究の最前線 〜研究室の学生が筆頭著者として学術論文を発表!〜

今回は研究室の特別なニュースをお届けします。このたび、当研究室の佐藤健人さん(修士2年)が、”日本材料科学会の学術誌「材料の科学と工学」”に筆頭著者として論文を2つ発表しました!これは研究室にとってはもちろん、学生の皆さんにとっても大きな励みとなるニュースです。
発表された論文について
今回発表されたのは以下の2つの論文です:
- 佐藤健人,寉田柚希,佐藤修一,『無機エレクトロルミネッセンスデバイスの高性能化に向けた材料研究の進展と展望』,材料の科学と工学,62, 30-35(2025)
- 佐藤健人,寉田柚希,佐藤修一,『簡易回路で駆動される無機エレクトロルミネッセンスデバイスの性能に及ぼすトランス特性の影響』,材料の科学と工学,62, 36-41(2025)
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会誌 材料の科学と工学
https://www.mssj.or.jp/zk/zk.htm
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1つ目は総説、2つ目は技術論文という形で、無機エレクトロルミネッセンス(EL)デバイスに関する最新の研究成果を発表しています。特筆すべきは、この2つの論文がどちらも学生が筆頭著者として執筆されたものだということです!
研究内容の魅力:未来を照らす光デバイス技術
「無機ELって何?」と思った方もいるでしょう。簡単に言うと、電気を流すと光る無機材料を使ったディスプレイ技術です。有機ELとは異なり、より耐久性が高く、厳しい環境下でも使用できるのが特徴です。
佐藤さんたちの研究では、特に以下の点に焦点を当てています:
- 簡易な回路でも高効率に駆動できるELデバイスの開発
- デバイス性能に大きく影響するトランス特性の詳細な解析
- 新しい発光材料の探索
この研究は、将来的には車載ディスプレイ、屋外サイネージ、宇宙機器のディスプレイなど、極限環境下で使用される表示デバイスへの応用が期待されています。有機ELよりも耐久性に優れているため過酷な状況に最適なんです。
学生主導の研究から生まれた成果
この論文が特別なのは、研究の立案から実験、論文執筆まで、学生が主体的に取り組んだ点です。佐藤健人さんは研究室3年間を通して、回路、デバイス設計、発光特性の研究を行い一部は研究室OBの寉田柚希さんと一緒に取り組んでおりました。特に、佐藤さんはマレーシア工科大学への短期留学経験もあり、そこで得た国際的な視点が今回の研究にも活かされたようで、卒業旅行でもこっちにきております。寉田さんも凸版印刷で活躍されております。
研究室配属を控えた学生の皆さんへ
新3年生の皆さん、もうそろそろ研究室配属の時期に突入します。「どんな研究室を選べばいいんだろう?」「自分には○○研究室はハードルが高そう…」と迷っている人も多いのではないでしょうか。是非、各研究室に見学して直接話しを聞くことをオススメします!
今回の論文発表は、学生でも本格的な研究に取り組めることを示す好例です。当研究室では、学生一人ひとりの興味に合わせたテーマ設定を心がけ、最先端の材料科学と電子デバイス研究に挑戦できる環境を整えています。
研究室で取り組めるテーマの一例をご紹介します:
- 新しい発光デバイスの製作と評価
- デバイス駆動回路の設計と最適化
- シミュレーションによるデバイス特性の予測
- ウェアラブルデバイスへの応用検討
- マレーシア工科大学など海外研究機関との共同研究プロジェクト
マレーシア留学と研究の相乗効果
過去のブログでもご紹介したマレーシア工科大学への留学プログラムは、当研究室の特色の一つです。
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UTM Inbound Mobility FAQ
https://international.utm.my/inbound-mobility-faq/
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Inbound Studentとしてマレーシア工科大学の中でも正式に登録されるため、履歴書にかける経歴です。くれぐれも、ただドリアンを食べてきただけではないんですよ!加えてマレーシアおよび東南アジア特有の何でもOKLAH!の文化もいい意味で研究にポジティブに作用したと考えられます。
佐藤さんも留学中に、現地の研究者と議論し、ドリアンを食べながらアイデアが生まれ、帰国後の研究に活かすことができました。「海外で経験したことが、困難を突破する研究成果につながった」と佐藤さんは語っています。そして卒業旅行でもドリアンを食べてました。しかも最高級ドリアン”D200 Black Thorn(黒刺)”を!
研究と留学:キャリアの可能性を広げる二刀流
当研究室では、希望者には研究と留学の両立を推進しています。学会誌に論文を発表するという研究実績と、海外留学の経験を両方持っていることは、就職活動においても大きなアドバンテージとなります。実際、就職先の外資系企業さんからも評価が高く、「研究内容について英語でプレゼンできたことが評価され、グローバル企業への研究開発職としての就職が決まった」、「留学経験と論文実績があったおかげで、大学院進学で奨学金も獲得できた」といった声も届いております。
今後の展望:さらなる挑戦へ
佐藤さんと寉田さんは、今回の成果に満足することなく、お互いに次のステップにも挑戦しています。グローバルに活躍する計画は今も消えてはおりません。このような学生の挑戦を全力でサポートするのが、当研究室の方針です。研究だけでなく、論文執筆、学会発表、そして留学まで、学生の皆さんの「やってみたい」を形にするお手伝いをしています。
まとめ:あなたの挑戦が未来を創る
研究室配属を控えた学生の皆さん、ぜひ自分の可能性を広げる選択をしてください。材料科学と電子デバイスの世界は、まだまだ未知の発見に満ちています。佐藤さんからのメッセージです:「最初は不安でしたが、興味のあることに思い切って挑戦してみたら、こんなに大きな成果につながりました。研究って本当に面白いです!」当研究室では随時見学を受け付けています。実際の研究設備を見たり、学生の皆さんと直接話したりする機会もありますので、興味のある方はぜひ気軽に研究室を訪ねてみてください。あなたの「知りたい」「作りたい」という気持ちが、次の大きな研究成果につながるかもしれません!論文の詳細や研究内容について知りたい方は、研究室まで足を運んでください。発行された論文のコピーも閲覧できます。
また、オープンキャンパスでも研究室公開しておりますので、そちらもお見逃しなく!
あなたの挑戦を、私たちは全力でサポートします。