ブラック・スワンとAI

去年の今頃は、来年はこのような事態になるとは予想もつかなかった事が多々あり、最近は”ブラック・スワン”についてよく考えさせられます。

このような、
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1.予測できないこと
2.非常に強い衝撃を与えること
3.起こると後日、偶然に見えなかったり、あらかじめわかっていたように思えること
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3つの特徴を持つ事象を”ブラック・スワン”と呼びます。オーストラリアで見つかるまで白鳥は白いものだと皆が信じていたことに由来します。ナタリー・ポートマン出演の映画とは違いますので注意してください。

このブラック・スワンですが、電子システム工学科のメンバーが”トランジション”を感じた時に読んでもらいたい本であります。現状の知識で異常値として除外し、無理やりわかったようにするより、現実のありようや自分の知識を増やすことにものすごく興味をもつことが、ブラック・スワンもうまく扱えるようになっていくことにつながることがわかってくれるのではないかと思います。そして、現状への”半分”懐疑主義者がいいのかもしれませんね。

電子システム工学科で論文研究を行う意味(キャリアチェンジの成功要件)

良くないブラック・スワンもありますが、良いブラック・スワンもあり、考え方が変わるきっかけになるのではないかと思います。電子システム工学科のメンバーが良いブラック・スワンを利用して新規事業を開拓していってもらいたいです。ここでは、ビギナーズ・ラックもうまく解説していて面白かったです。言われてみればそうですね。

このような”将来予測”に関連することといえば、最近はAIによる高精度の予測モデルは様々な所で議論されておりますが、何となく良さそうな結果がでるため、最近はAIの短期的あるいは表層的な要素だけが拡大解釈されることもあります。

ただし、これはあくまでも将棋のようなルールがある場合(短期的な予測)でして、ブラック・スワンのようなものはAIでは読めないことになります。トランプが大統領になる、イギリスがユーロを離脱する、等々、この世はおよそ予測が不可能であることが多々あります。

AIに価値があるとすると、人間と違って”感情(経験則:ヒューリスティック)に支配されず”、冷徹に客観的に判断ができるということではないか、というあたりです。将棋のようなルールがある場合だと良いのですが、将来のことを知ることは誰にもできないわけで、それを前提にすると、AIが人間以上にうまく未来の予測をできるとは思えません。

もっと根本的なあるいは長期的な見方が必要なんじゃないかと考えて使用すると機械学習、深層学習は便利ですので、是非活用してもらいたいと思います。使ってみると、なんとなく理解できると思います。そして、ブラックボックスになりがちなので中身を知らないと全面的に信用するには危険かなと、、

これは、授業でも紹介したいトピックですね。

 

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