プラズマ工学レビューvol.16(PythonによるFDTD法の電磁界シミュレーション)

卒業生に言われたプラズマ工学レビューのありがたさ。私が苦労した部分を少しでも緩和できればと思って作成しております

実際にプラズマ生成を行っていると、以下の写真のようにその環境下でボワットした放電であったり、シュッとした放電であったり、様々な形状に変化することがわかります。

その内部では電荷密度が高かったり低かったり多種多様ですが、要するに電磁界の分布が異なっているということになります。電磁気学の申し子と言われる電子システム工学科のメンバーなら電界と磁界はセットみたいな関係であることは釈迦に説法かと思います。

写真のプラズマの発光時の様子からもわかるように、プラズマの反応は実は電磁界の分布も異なり、励起種が複数にわたるため、極めて複雑です(毎回データベースをみないと考察できないです)。電磁界ではマクスウェルの方程式がでてきて計算が非常に複雑になるため、挫折するメンバーもでてくるようになります。その難しさをわかりやすく言うと、一点だけならそれぞれが90°傾くけど、、、実際これって3次元に広がって、しかも何点あって、それぞれが互いに影響を及ぼすって、、、考えただけで計算する量が凄まじくならない、、、、

凄まじい計算量=一般的にはわかりにくくなる

これは、、、、結果を可視化しないと一般向けに説明しやすくはなりません、、、複雑な計算をたくさん、そして計算結果を可視化するには、、、、”シミュレーション”を実行することが早道になります。

この電磁界シミュレーションにおいて外せないのは、時間領域におけるマクスウェル方程式を解く” FDTD 法”です。時間領域差分法ともいうFDTD法(Finite-difference time-domain method; FDTD method)です。時間領域差分法??わかりにくいと思いますが、”時間的に”電界と磁界を交互に計算することです。

FDTD 法により材料間の電界侵入や材料内の電流分布がわかってきます。プラズマの場合なら電極と気体の間ででどんな挙動示すの?液晶デバイスの場合なら電極と誘電体界面は?を考察をする際にも参考になりますが、やはり”アンテナの設計”で有効活用されているそうです。電子システム工学科のメンバーが3年生から学習する”電磁波工学”の話です。

話は長くなりましたが、このようなFDTD法は計算量が膨大なため、高速なコンピュータと多くのコンピュータメモリを必要とします。。。それなりのマシンが必要になってきますが、最近はGoogleが提供している”Google Colaboratory”を使用すれば、クラウド上でPython実行環境が整っており、特にJupyter Notebookをインストールする作業に手間を取られることなく、すぐにコードを実行することができます。

Google Colabの知っておくべき使い方 – Google Colaboratoryのメリット・デメリットや基本操作のまとめ

オープンソースのライブラリやツールが使用でき、GPUによる機械学習や深層学習もできます。たしかに以下の書籍のFDTD法の莫大な計算を短時間で行ってくれました。。。

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Pythonを使った光電磁場解析
https://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339009262/

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Pythonは多くの分野で使われており、某証券会社でもPythonを使用しているそうです。一部の研究者が行うような高速処理目的の個人使用から、高信頼、保守可能が目的となるプロダクションまで一貫してカバーでき、コミュニケーションしやすくなるのが大きなメリットのようです。さらに、電子システム工学科のメンバーが大好きなRaspberry Pi(ラズパイ)もPythonです。汎用性も高いようです。

ラズパイとLEDを繋いでpythonでコントロールする(その1)

このコスパと汎用性を知ってしまうと、今後はPythonを用いてデータ解析を行うことが一般的になるのではないかと考えさせられます。Cを勉強した電子システム工学科のメンバーならすぐに慣れると思います。

 

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