酸性電解水に関する解説記事

先日、学術雑誌に記事を執筆しました。

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電解により生成される酸性電解水の消毒性
日本包装学会誌, 29(4),249-255頁 (2020)
http://www.spstj.jp/publication/magazin/index.html

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当研究室ではプラズマエレクトロニクスの研究を行っていますが、このプラズマを生成するような”電気的プロセス”で物質(電解質)を処理すると様々な殺菌性・消毒性の高い生成物を得られることについて解説しました。このようなプロセスでは”電気分解”が有名ですが、この一部として、プラズマを使う”プラズマ電解”というのもあり、これについて色々触れました。

ちなみに市販薬などの医薬品・医薬部外品や医薬品や医薬部外品以外に使える表現として、

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殺菌:特定の菌を殺す(数が減る)
滅菌:あらゆる菌を殺菌する(強力のため病院での手術器具などで)
消毒:細菌の活動を弱める

除菌:菌を取り除く(洗濯用洗剤、アルコールスプレーなどで使われる表現)
抗菌:菌の増殖を抑制する(スポンジなどで使われる表現)
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などがあります。複雑ですね。

通常、プラズマの研究ではプラズマに焦点があたりますが、今回はプラズマ電解プロセスによって生成されるその他の”副”生成物質に焦点を当てました。近年、これらがウイルスの消毒物質としても注目されているからです。インフルエンザウイルスやノロウイルスなどに幅広く強い殺菌活性を示している次亜塩素酸水が生成可能であり、アルコール消毒の代替法として検討されております。

しかしながら、新型コロナウイルスに対する効果・使用法をめぐっては、”現時点では有効性は確認されていない”など多くの議論が行われ、混乱が続いていましたが、2020年6月26日に、経済産業省や厚生労働省より公表されました。

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経済産業省, 新型コロナウイルスに有効な界面活性剤及び次亜塩素酸水を公表しますhttps://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626012/20200626012.html

厚生労働省, 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
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HPを見るとわかると思いますが、次亜塩素酸水は製造時のpHの条件によってもその分類が異なってくるため非常に複雑です。さらに次亜塩素酸水と似ている塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸“ナトリウム”もあるので注意が必要です。

色々と複雑ですが、プラズマクラスターの消臭効果などでも有名なように、他にも電気的プロセスでは様々な物質が生成されます。今後の社会に貢献できる物質に関する研究も進むといいと思っております。

 

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