日本包装学会誌に巻頭言を執筆しました!

この度、日本包装学会誌の第34巻第5号(2025年)に巻頭言を執筆する機会をいただきました。今回の特集テーマは「若手大学教員による包装資材・高分子材料の研究開発最前線」ということで、まさに次世代の包装技術を担う研究者たちの最新成果が紹介されています。
「包装」って実はすごく面白い分野なんです
皆さん、「包装」と聞くと何を思い浮かべますか?お菓子の袋?Amazonの段ボール?実は包装技術って、めちゃくちゃ奥が深いんです。
私の巻頭言のタイトルは「分野連携と若手育成による包装イノベーション」としました。なぜ「分野連携」なのか?それは、現代の包装技術が様々な分野の最先端技術の集合体だからです。
例えば:
- スマート包装:センサーを組み込んで食品の鮮度をリアルタイムで教えてくれる包装
- 環境対応包装:海で自然分解するプラスチック、食べられる包装材料(!)
- 機能性包装:抗菌・抗ウイルス機能を持つ包装、酸素を通さない特殊フィルム
- AIを使った包装設計:最適な材料選定や形状設計をAIが提案
研究室での取り組み
当研究室では、電子デバイス技術と包装技術を融合させた研究を進めています。例えば、センサーを使って風味を検査する技術や、プラズマ処理で植物の成長速度を可視化する技術などの研究などです。
実は私、以前はToppanでの経験から、「理論だけじゃダメ、現場の課題を知らないと本当のイノベーションは生まれない」ということを学びました。だから研究室では、外部との共同研究も積極的に進めています。
国際的な視点も大切
巻頭言でも触れましたが、昨年はマレーシアの大学や企業と連携して、現地の包装産業について調査・研究を行いました。日本では当たり前の技術が海外では革新的だったり、逆に海外の斬新なアイデアに驚かされたり。グローバルな視点で研究することの面白さを実感しています。
3年生の皆さんへ
研究室配属を考えている皆さん、「包装」というキーワードだけで判断しないでください!
包装技術の研究は:
- 材料科学、電子工学、情報工学、環境工学など、様々な分野の知識が活かせる
- 日常生活に直結した研究なので、成果が社会に与えるインパクトが見えやすい
- SDGsにも直接貢献できる(プラスチック問題、食品ロス削減など)
- 企業との共同研究のチャンスが多い
「モノを包む」という一見シンプルな行為の中に、これだけの科学技術が詰まっているんです。一緒に、次世代の包装技術を創っていきませんか?これから研究室配属を考えている皆さんも、一つの分野にとらわれず、幅広い視点を持って研究に取り組んでもらえればと思います。