マレーシア短期留学報告、高砂熱学工業見学編
電子・光機能材料研究室に所属するSさん(修士2年)と私K(学部3年)は、2024年12月22日から12月31日の10日間、国際交流を目的としてUTM(マレーシア工科大学)で短期留学を行いました。私Kがこの貴重な体験を振り返り、「大学生活編」「食事編」「PUDU編」「高砂熱学工業編」の4編のブログに分けてお届けします。これからマレーシア留学を検討している学生の参考になれば幸いです。
本記事「高砂熱学工業編」では、マレーシア短期留学の一環として高砂熱学工業(株)のマレーシア法人の見学内容をご紹介します。高砂熱学工業(株)は空調工事の最大手であり、大規模物件の施工で高いシェアを誇る会社です。また、クリーンルームやドライルームなど、半導体製造工程や精密電子部品製造工程などに必要とされる高度に清浄度・温湿度が管理された生産工程環境の施工も手掛けており、私たち理系学生にとっても非常に関係の深い企業です。さらに、高砂熱学工業(株)はアジアを中心に海外事業の展開を進めており、今回訪問したマレーシア法人(T.T.E. Engineering (M) Sdn. Bhd.)もその一つです。
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T.T.E. Engineering (M) Sdn. Bhd.
https://www.ttemalaysia.com.my/index.html
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今回、高砂熱学工業のマレーシア法人への訪問では、社長との対談という貴重な機会をいただきました。対談は堅苦しいものではなく、和やかな雰囲気の中で行われ、日本とマレーシアの文化や風土の違いも感じられる貴重な時間となりました。話の内容は、現地での生活や観光地の紹介、会社の事業内容、社長のこれまでのキャリアなど多岐にわたる話題が取り上げられました。その中でも特に印象に残った「海外での働き方」に関するポイントを3つご紹介します。
1. 働くうえで大切にしていること
社長が働くうえで大切にしていることの1つは、マネジメントとして「自分が持っているものを他の人に与え、自分は新たにできることを増やす」という考え方です。これは社長が学生バイト時代に学んだことだそうで、このアプローチにより、チーム全体でできることが増え、自分自身の成長にもつながると言います。確かに、同じ作業を続けていても成長は鈍化してしまう可能性がありますし、単にその作業を放置して別のことを始めるだけではうまくいきません。この考え方は、一つのスキルをしっかりと身につけてから次のステップに進むというアプローチを、チームマネジメントに適用したものだと考えられます。この考え方は非常に勉強になりました。
2. 日本企業にける国内と海外との違い
日本企業における国内と海外の違いについては、国内では知名度が高い一方で、さまざまなルールや制約が存在し、自由に行動することが難しいという面があります。これに対して、海外では知名度が低いため、自由な働き方が可能で、思いついたことをすぐに実行できるフットワークの軽さが魅力的です。ただし、従業員数が少ないため、できることの規模は小さいという点もあります。どちらにも一長一短がありますが、海外の自由な働き方にも大きな魅力を感じます。
3. 海外働くのに向いている人
海外で働くのに向いている人については、意外にも海外志向が強くない人や、野心家でない人が向いているという話を聞きました。海外志向が強い人は、海外に対する期待が高すぎて、現地とのギャップに挫折してしまうことが多いからだそうです。また、パートナーが海外での生活に向いていない場合は、うまくいかないこともあるそうです。これは新たな視点であり、海外での働き方に対する考え方が広がりました。海外で働くことをあまり考えたことがない人も、気軽な気持ちで挑戦してみることで、案外海外での働き方が自分に合っていると感じることがあるかもしれません。
4. おわりに
今回の訪問を通じて、海外で働くことの魅力や課題について多くの学びを得ることができました。特に、海外で働くには柔軟な姿勢が求められ、期待とのギャップを乗り越えることが重要であるという点が印象的でした。
最後に社長からいただいたアドバイス、「入社して最初の10年は自分のやりたい仕事をがむしゃらに、そしてその後10年は望まれた仕事をやれ」という言葉は、これから就職活動を控える身として非常に参考になりました。
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高砂熱学採用ページ
https://www.tte-net.com/recruit/index.html
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このような貴重な機会を設けてくださった社長に心より感謝申し上げます。海外での働き方に興味がある方は、ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?