バイオマス材料の開発と応用の出版
今月になり、原稿を作成した学術書の”バイオマス材料の開発と応用”が出版されました。
—————
技術情報協会 バイオマス材料の開発と応用
-プラスチック/粘・接着剤/コーティング/添加剤-
◇第2章 汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチックのバイオマス化技術◇
9節 生分解性プラスチックとバイオマス材料の高次構造が気体・蒸気透過性に与える影響
https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2191.htm
—————
今回も技術者や研究者向けの専門誌を出版する技術情報協会です。修論を作成する際には、一度は手に取るこの手の分厚い専門書です。当初読もうとしていた節以外の節も読んでみると違った視点に気付けていいですよね!これから研究を進める際に、異なる視点からの知識や情報が非常に役立ちます。
過去には”容器包装材料の環境対応とリサイクル技術”についての章を作成しましたが、今回は”バイオマス材料”の気体および蒸気透過特性”についての章を作成しています。
最近注目されている”バイオプラスチック”には、実は二つのカテゴリーがあります。一つは、再生可能なバイオマス資源を原料として作られる”バイオマスプラスチック”、もう一つは、高温多湿条件下や土壌環境、水環境中でバクテリアによって分解され、二酸化炭素や水にまで”完全に”分解される”生分解性プラスチック”です。バイオマス材料であり、生分解性もあるプラスチックが多いことから、同じように思えてしまうのですが、定義が多少異なりますので注意が必要です。
前回は、”生分解性プラスチック”の高次構造変化を解析するツールについて紹介しましたが、今回は、気体や蒸気の透過理論について、構造がその特性に与える影響を詳しく解説します。材料内にはナノオーダーで柔らかい箇所と硬い箇所が混在しており、それらが新しい機能(自己修復など)をもたらすことがあります。AI技術の進化により最新の技術が最近は注目されがちですが、実は古代から使われている天然材料にも高度なナノテクノロジーが存在していたことに驚かされます。
特に製造業において、新しい機能材料開発プロジェクトを担当している方々は、プラスチックの課題解決に取り組む必要があります。その際にはバイオマスの視点も重要であり、この章を参考にしていただくことで、より深い理解と適切な技術選択が可能となります。バイオマス材料に関する気体および蒸気透過特性の理論とその応用について、本章で詳しく解説しますので、ぜひご一読いただきたいと思います。